痛みに関する話題を綴った日記です。
トリガーポイント鍼施術は、筋膜性疼痛症候群(MPS)などの痛みに、とても効果を発揮しますが、施術に要する時間がかかりすぎると言う問題があります。
時間がかかると言う事は、経営者目線で言えば、割に合わない事の方が多い施術方法ですが、インターネットで検索すると、患者さんに、比べる分母が少ない事を良いことに、トリガーポイント施術を謳っていても、???な治療院が多数存在するようです。
当院では、自費施術の場合、60分から設けています。
しかし、細かな事をしないと取れない痛みや、広範囲な部位の施術を希望される場合、60分では時間が足りません。
治療が進んで行く間に、施術してほしい部位が増える方もいます。
いずれにしても、施術を行う側は、同じ時間でも長く感じ、受ける側は、短く感じるものです。
施術は、マンツーマンではありませんから、60分すべてを一人の患者さんに使えるわけではありません。
相談の時間や、鍼を置いて温めたり、身体を休めてもらう時間も必要です。
なぜ、マンツーマンで無いかと言うと、急な体調の変化や交通事情により、キャンセルや急な受け入れに柔軟に対応する為です。
本来、施術を時間で考えるのもおかしいかもしれませんが、何かで線引きしないといけない以上、60分を超える場合は、課金をさせていただいております。
どうしても、マンツーマンの施術を希望の場合は、少し高くなりますが、そのような時間を設けていますので、そちらをご利用ください。
料金⇒http://www.ebara-acupuncture.com/hours
カテゴリ:治療室こぼれ話
ebara / 2018年02月28日(水) 12:21
最近は、インターネットで検索され、来院される方が増えました。
当院のWEBサイトは、新規患者を獲得することが目的ではありません。
当院が提供する施術が、お悩みの症状に効果があるかどうか、料金、場所、時間などの情報、トリガーポイント・筋膜性疼痛症候群(MPS)と言う痛みは、ありふれているにも関わらず、医療従事者の多くも知らない痛みがあることを、一人でも多くの方に知っていただく為です。
それにより、不要な手術や、痛みの医療難民を一人でも減らすことができるのではないかと考えています。
当院では、健康保険(療養費)の取り扱いはしていますが、接骨院や整骨院で扱える保険は、医科で使えるものと制度が違い、細かな制限制約があります。
細かい事は省きますが、健康保険(療養費)が適応されるものは、骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲のおおむね二週間以外のケガのみが対象です。
骨折・脱臼は医科での同意証が必要ですから、現実的なところ応急処置のみとなります。
また、仕事上のケガ・交通事故は、原則、健康保険(療養費)の支給対象には該当しません。
ケガでもなく、鍼施術を希望されない方も来院されますが、当院の保険適応ならびに施術方法は以下の通りです。
ケガの場合=健康保険(療養費)が使えます
その場合、手技のみの施術が可能です。
鍼施術を加える場合は、自費分の負担が必要です。
初診時、問診票に記入いただき、保険適応か否かの判断をさせていただき、慢性痛や原因不明の痛みは、自費での施術となります。
おケガで無い場合=自費
自費=鍼施術(手技は加えますが、手技のみの施術はいたしません)
まとめると、問診票に、あきらかなケガでなく、鍼施術を希望されないと記載された場合、当院では、施術をお断りする事になります。
この辺りの事は、事前にWEBサイトを読むと理解できると思います。
よくある質問⇒http://www.ebara-acupuncture.com/faq
保険・料金・etc⇒http://www.ebara-acupuncture.com/hours
カテゴリ:治療室こぼれ話
ebara / 2018年02月27日(火) 07:29
一言で、痛いと言っても幅が広いです。
日焼けした肌も痛い。
足をぶつけても痛い。
足が攣っても痛い。
患者さんは、痛いと一括りにしますが、それぞれ、抱えている問題は違います。
本来の痛みは、警告系と言われ、ケガをして出血しているので、早く止血しないと命にかかわる事を、自分に認識させる為のものです。
しかし、ケガが治った後に続くような痛みは、痛みを伝える神経が歪んでしまった痛みで、慢性痛とよばれる痛みです。
この痛みには、脳が大きく関与した中枢性感作、抹消が過敏になった末梢性感作、本人の性格やライフスタイルなど、様々な要因が複雑に絡んでいると考えられています。
日本の痛み医療は、欧米より20年以上も遅れていると言われ、いまだに、椎間板ヘルニア、半月板損傷など、痛みの原因を構造破綻と考えているフシがあります。
長引く痛みは、安易に脳のせいにされがちでですが、活性化したトリガーポイントが関与した痛みも、多く存在しています。
しかし、この痛みは、ありふれた痛みにもかかわず、医療従事者の多くが、その存在を知りません。
長引く痛みの中には、運動をしたり、カウンセリングを受けたり、認知行動療法を取り入れた方が良い痛みもありますが、わたくし一人で、全てをまかないきれません。(アドバイスや連携はいたします)
当院では、注射をしたり、薬を出したり、細かな運動指導や、質の高い認知行動療法の指導は出来ないけれど、活性化したトリガーポイントの処理は、誰にも負けないくらいの気持ちで取り組んでいます。
そう言う強い思いがこもった、専門院なのです。
カテゴリ:治療室こぼれ話
ebara / 2018年02月26日(月) 08:46
下の記事を書かれた、北原雅樹先生、鍼を使って、疼痛治療をされています。
日本の痛み医療は、欧米より20年以上も遅れているといわれています。
トリガーポイント療法は、長引く痛みでお困りの方に、お役に立てるかもしれません。
当院は、筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれる、ありふれた痛みがあることを、一人でも多くの人に知ってもらうために、情報発信を続けています。
https://medical.jiji.com/topics/381?page=1
―慢性痛とはどういう痛みを指すのか。
北原 世界保健機関(WHO)が作った国際疾病分類(ICD)は10年ごとに改訂され、登録済みの疾病の見直し、新たな疾病の追加が行われる。来年の改訂に向け、慢性痛の登録を新たに決定。「3カ月以上続く持続性または反復性のある痛み」と定義された。
慢性痛については、専門家の間でもかんかんがくがくの議論があり、患者本人も本質を理解していないことが多い。痛みには胃潰瘍、急性胃炎、骨折など組織の障害に起因する「急性痛」と、頭痛や腰痛、リウマチ、線維筋痛症など原因が分かりにくい「慢性痛」がある。
慢性痛は組織の治癒期間を終えても続く。最終的に脳でさまざまな情報が統合(処理)されて痛さを感じる仕組みで、痛みによって起こる障害に対処しなければならず、急性痛の治療とはアプローチがまったく違う。
―急性痛と慢性痛の対処法は
北原 急性痛では、原因の病気や障害を治しやすくするため痛みを軽減する処置を取る。安静にしたり神経ブロックを行ったり、薬物療法などでも痛みが治まる。診断結果により治療法が大体決まっており、治療に伴い痛みは軽減される。しかし慢性痛は原因が分からず、手を尽くしても何も改善しないとして放置される場合も少なくない。
―慢性痛は何が原因か
北原 急性痛は同じ胃痛でも、胃潰瘍と胃炎では全く治療方針が違う。急性痛の場合、診断名は大変重要だ。慢性痛は生活習慣病から来る痛み、疾患による痛み、処置に伴う痛みなどがある。すべてが混合性疼痛(とうつう)で、ほとんどの場合、痛みに対する治療方法は同じだ。痛みの状態を見て医学者が無理やり診断名を付けているにすぎない。患者は病名を知りたがり知ることで安心するが、一般の診断名と痛みの原因が違うことも少なくない。重要なのは、痛みが明らかな原因がある急性なのか、そうでない慢性かを診断することだ。
―慢性痛の治療法は
北原 日本に慢性疼痛のガイドラインはない。放置される慢性痛のうち、一番多いのは筋肉の痛みだ。混合性の痛みだが、軽度なら不自然な姿勢で仕事をしない、軽い運動をする、減量、睡眠3~4時間前からの飲酒はしないことなど日々の生活で改善、予防ができる。簡単なことだが、患者もかかりつけ医も知らないのは、情報が広く伝わっていないからだ。慢性痛は我慢すれば治ると思われがちで、積極的に治療が行われてこなかった。
私が行っている治療は、運動療法や心理療法が中心。筋肉痛には東洋医学のはりを使用した筋肉内刺激法も取り入れた。麻酔科医だけでなく、精神科医、リハビリテーション医、理学療法士、臨床心理士など、複数の医療者が治療を行う集学的な治療が、慢性痛治療の標準的なモデルになっている。
―日本の慢性痛治療は遅れているのか。
北原 国際疼痛学会(IASP)は2010年、「患者が痛みに対する適切な治療を受けることは基本的人権である」などとするモントリオール宣言を採択した。つまり痛みの診療は行政や医療機関の義務ということだが、日本では注目されず、翻訳もされなかったので私は自分で訳した。
痛みセンターの草分けは米国で、1961年に朝鮮戦争の戦傷者や急速に進む工業化によって激増した労災患者への慢性痛対策として始まった。70~90年代に米国全土に広がり、欧州諸国にも拡大した。しかし2000年代に入ると米国の痛みセンターは経営的に成り立たず閉鎖、解散されたが、欧州ではさらに発展し、各国が医療費抑制を目的に医療保険システムの中に位置づけた。国全体でシステマチックに実施し、コストパフォーマンスが高いシステムになっている。
日本は以前、大学病院でもペインクリニック科は機能していない名ばかりなところもあった。私のいる横浜市大は外来診療を毎日行うが、毎日行う施設は少ない。痛みセンターは全国十数大学に設置されているものの、IASPの基準を満たしているところは少なく、人材も資金も大幅に不足している。世界各国で痛みセンターがどんどん広がっている中、先進国では日米だけが取り残されている。
―日本の慢性痛治療はどうあるべきか。
北原 痛み治療は臨床面だけがクローズアップされがちだが、複雑な痛みの治療は臨床と研究が一体となる必要がある。調査結果をフィードバックし、さらに加速する超高齢社会の中で、慢性痛を抱える高齢者の診療をシステマチックに行う痛みセンターを国内につくることが急務だ。重症患者の治療だけでなく、予防も行い、健康寿命を延ばすことも期待できる。次世代の専門家育成も重要な課題だ。
臨床・教育・研究のほかに、行政、総合診療医、一般市民などへの情報提供・PRも、欧米の痛みセンターでは大きなウエートを占めている。
2025年には65歳以上が3600万人、稼ぎ手が減少し、日本は経済的にも貧しくなる。慢性疼痛患者は現在2000万人。経済的損失は数兆円といわれている。痛みセンター設立には立法化を含め、さらなる展開が必要だ。患者会やマスメディア、SNSなどで、関心を高めて多くの人たちが声を上げていくことが望まれる。
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2018年02月13日(火) 15:24
下の青字は、急性腰痛(ぎっくり腰)の研究結果です。
難しい言葉が並んでいますが、早い話は、ぎっくり腰は、安静にしてはいけない。
出来る限り、日常生活をつづけること(無理しない範囲で)が、早期の回復に繋がると言う事です。
・急性腰痛に対する腰部コルセットとサポートベルトの有効性は証明されていない(確証度D)。
・腰部コルセットは荷役作業従事者の腰痛による欠勤日数を減少させる可能性がある(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO
・急性腰痛患者(ぎっくり腰)の治療に牽引は推奨できない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO
トリガーポイント鍼・筋膜リリース療法は、ぎっくり腰だけでなく、関節・筋肉など運動器の痛みの早期回復に、大きな効果が期待できます。
★下の動画は、超音波エコーガイド下鍼の動画です。
今回の症例とは関係ありませんが、超音波エコーガイド下鍼なら、危険な部位でも安全を担保しながら鍼施術が行えます。
ただし、すべての患者様に、エコーガイド下でのトリガーポイント鍼を行う訳ではありません。
カテゴリ:医療情報
ebara / 2018年02月08日(木) 08:39