腰の骨は、5つの椎骨と1つの仙骨、そしてそれぞれの骨の間にある椎間板というクッションからできています。
この椎間板は、アンパンのような構造をしていて、外側のパンの部分を繊維輪と呼び、その中に髄核という粘性のアンコが入っています。
このパンの部分が裂けてアンコが飛び出し、それが後ろにある神経を押さえつけて、痛みやシビレ、麻痺を起こすと考えられてます。
ただし、腰痛がない、成人の健康な人を対象にMRIを撮れば、半分以上の人にヘルニアが見つかりますから、椎間板ヘルニアと痛みの因果関係は、まだまだ分かっていないことも多いのです。
多くは、保存療法で良くなりますが、排尿障害のような麻痺を伴うものは、緊急に手術を要する場合があります。
そもそも、神経が圧迫されると痛みが起きるのでしょうか?この考え方には矛盾がたくさんあります。
一例をあげれば、足の裏は、地面に常に押し付けられ圧迫 されていますが、痛みは起きません。痛みの原因の多くは、レントゲンやMRIなどの画像には写らない、筋肉の機能不全、トリガーポイントが大きな問題と考れば、色々な矛盾が 解けてくるはずです。
トリガーポイントの治療には、関連痛の理解がないと的確な治療が行えず、痛みは、なかなか良くなりません。
また、関連痛が生じると、痛みを感じているエリアの筋肉にも、新たなトリガーポイントが発生しますので、二次的なトリガーポイントの発生によって、またこのトリガーポイントが関連痛を起こし始めるという複雑な痛みの構図が出来上がります。
筋膜性疼痛症候群(MPS)、の考えに基づき、悪くなっていると考えれる筋肉、専門用語で罹患筋(りかんきん)と呼びますが、それを見つけ出し、罹患筋の中にできたトリガーポイントを治療します。
また、痛みに限らず、患者様が訴える痛みや症状には不安や恐怖が大きくかかわっています。
この不安や恐怖が無くなった時に、人は自然治癒力を最大限に発揮できる状態になると考えますので、痛みが再発しにくいように、メンタルケア、生活習慣などの指導を行います。
下の図のように、 赤いエリアが痛いと思う場合でも、実際は×のマークが痛みの発生源ですので、そこの治療が必要です。このような現象を関連痛と呼びます。
【イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用 】
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ebara / 2014年02月05日(水) 18:27