股関節の痛みには、変形性股関節症、関節リウマチ、先天性股関節脱臼、(特発性)大腿骨骨頭壊死症、骨粗しょう症、何らかの感染、恥骨結合周囲炎などのスポーツ障害 etc があります。
股関節の痛みを訴え来院される方の多くは、変形性股関節症と診断されています。
ここから先は、その変形性股関節症について、説明してみたいと思います。
変形性股関節症は変形の程度によって初期、進行期、末期に分けられます。
初期には脚の付け根や臀部、膝の上部のこわばりや重い感じがあり、歩き始めや長時間の歩行、階段の昇降で痛みが起こります。変形が進行し進行期から末期になるにつれ、動きが制限されて痛みも強くなり、筋力も低下してきます。
長距離の歩行や階段の昇降、しゃがみ立ちが困難になるなど徐々に日常生活が制限されてきます。
股関節の痛みは、軟骨のすり減りが原因と考えられがちですが、この考え方には多くの矛盾があります。
一例をあげれば、軟骨には神経がありませんから、痛みを感じることはありません。
そこで、筋膜性疼痛症候群(MPS)、の考えに基づき、悪くなっていると考えれる筋肉、専門用語で罹患筋(りかんきん)と呼びますが、それを見つけ出し、罹患筋の中にできたトリガーポイントを治療します。トリガーポイントの治療には、関連痛の理解がないと的確な治療が行えず、痛みは、なかなか良くなりません。
また、関連痛が生じると、痛みを感じているエリアの筋肉にも、新たなトリガーポイントが発生しますので、二次的なトリガーポイントの発生によって、またこのトリガーポイントが関連痛を起こし始めるという複雑な痛みの構図が出来上がります。
また、痛みに限らず、患者様が訴える痛みや症状には不安や恐怖が大きくかかわっています。
この不安や恐怖が無くなった時に、人は自然治癒力を最大限に発揮できる状態になると考えますので、痛みが再発しにくいように、メンタルケア、生活習慣などの指導を行います。
下の図のように、 赤いエリアが痛いと思う場合でも、実際は×のマークが痛みの発生源ですので、そこの治療が必要です。このような現象を関連痛と呼びます。
【イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用 】
⇒http://www.ebara-acupuncture.com/archives/6813
ebara / 2014年02月05日(水) 19:30