50代後半の女性が、膝の痛みを訴えられて来院されました。
話を聞くと、週末に膝に激痛を覚え力が入らなくなり、膝を曲げる事が出来ず、あわてて救急病院へ駆け込んだそうです。
レントゲン検査の結果、軟骨のすり減りが原因ではないか?一週間様子を見て、痛みが引かなければ、半月板損傷の可能性があるので検査しましょうと言う事だそうです。
ちなみに、NSAIDが処方され、飲むと少し楽になったような気がするそうです。軟骨のすり減りが痛みの原因であると言う医師は多いようにも思えます。
一方、聖路加国際病院の整形外科部長の 星川吉光医師は、日経プルミエ11月号で下記のように述べられています。
膝関節の軟骨には血管も神経もないので、これがすり減る時に痛みは感じません。
まったく反対の説明をされいます。
痛みの事は、まだまだ分からない事だらけですが、処方されたNSAIDは血液に溶け込んで痛みのある場所に運ばれるはずです。一体、どのようにして、膝の軟骨に運ばれるのでしょう?理屈が合いませんね。
患者さんは、大腿二頭筋短頭とヒラメ筋の腓骨接合部に、ジャンプサインがありました。ここをリリースすると、すぐさま膝が曲げられるようになりました。
患者さんに、一通り説明はしましたが、軟骨のすり減りが原因と言うレッテルは剥がしきれた感じはしませんでした。テレビでやたら宣伝している、〇潤でも買って飲もうかしらと仰っていました。
こんな単純な治療で良くなるのですから、患者さんが訴える症状は、MPSと考えるのが妥当でしょうし、一週間様子を見るくらいなら、圧痛部にTPB注射をすればすぐに痛みが取れたようにも思えます。
追記
二回目の治療に来られた時の様子です。
医師には、安静を言い渡されたそうですが、治療後痛みがかなり軽減している事、腫れなどが無い事を確認して、お風呂上がりに出来る範囲でよく動かすように指導しました。それが、良かったかどうか分かりかねますが、痛みも殆ど気にならなくなり、患者さんも半月板の検査はしない事にしましたと仰っていました。