痛みに関する話題を綴った日記です。
守屋徹先生のブログ(脳-身体ー心)の記事、除外しなければ、なにも始まらないことがあるより抜粋
ありふれた症状であっても、どこか理屈に合わなかったり、奇妙な発症の仕方をするケースでは、除外する見立てをしなければ何もはじまらない。
腰下肢痛だから、筋筋膜痛の痛み(MPS)だとか、治療に反応しないから、脳や心の問題と決めつけてはいけません。
また、自費での鍼灸や代替医療に来られる患者さんの多くは、まずは医科にて、何かしらの診断を受け治療を行っていたが、思うような効果が表れないので、来院されるケースが殆どだと思います。
医師の診断が必ずしも正しいとは限りませんから、診断権は無くても判断をしなくてはいけません。
当院のような小さな院でも、骨盤内、脊柱の腫瘍からと考えられる腰下肢痛のケースが、ここ数年で3人おられました。
超音波エコー観察装置を導入したのも、エコーガイド下で鍼を行うのが大きな目的では無く、運動器の痛みに対して、予め病態を把握し、トリガーポイント鍼灸が効果があるか否かを判断するためです。
例えば、バネ指と呼ばれるものに、トリガーポイント鍼灸が効果を発揮することがあります。
しかし、同じバネ指でも、ガングリオンが介在したようなものを、トリガーポイント鍼灸でどうにかしようとするのは、現実的ではありません。
超音波エコーで観察すると、上記のような事がわかります。
また、先日も4ケ月前に足首を軽く捻ってから、いまだに夜間も痛みが続くと言う方が来院されました。
私の院に来られる前に、病院でレントゲンで異常が無いと言われ、他の接骨院で治療を受けておられたそうです。
私には、ただの捻挫に見えなかったので、患部をエコーで観察すると、血管が滑膜に入り込んでいる様子が観察できました。
いわゆるリウマチで起こるエコー像です。
信頼のおける医師に診断をお願いしたところ、やはりリウマチからの痛みと言う診断でした。
全ては、守屋先生が仰る通り、除外する見立てをしなければ何も始まらない!ですね。
私自身のブログにも、治療技術で悩む前の義務と題して、病態の把握の重要性を記事に書き留めていますが、治療が適応か否か、つまり、病態の事前把握は最重要課題です。
画像は、東京女子医科大学付属病院膠原病リウマチ痛風センターより引用
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2015年09月12日(土) 07:11
ためしてガッテンで、筋膜リリースについて放送されてから、お問い合わせの電話が増えました。
当院は、京都で唯一(平成27年9月時点で)の超音波エコーガイド下筋膜リリース鍼が出来る治療院です。
痛みの原因は様々ですが、筋膜性疼痛症候群と言うありふれた痛みは、医療従事者の多くが知りません。
長引く痛みは、椎間板ヘルニアや半月板損傷と言う構造の問題ではなく、筋や筋膜のトラブルかもしれません。
超音波エコーでの患部の観察。
画像は、肩の大・小結節
白く写し出されているのが筋膜です。
動いているのがエコーに写し出された鍼先。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2015年09月11日(金) 07:09
江原鍼灸整骨院.が、トリガーポイント療法専門院である理由(1)の続きです。
慢性化した痛みには、色々な痛みが混在していると考えられますが、それを色分けすることは出来ません。
治療を行い、効くか効かないかで判断するしか出来ません。
薬で考えてもらうと、分かりやすいと思います。
1日1錠×3回を1週間分出されたなら、決められた容量をしっかり飲んだにも関わらず、薬の効果が無ければ、薬の量を足すなり、変更するなり、次のステップに進めます。
当たり前ですが、ちゃんと服用できていなければ、次には進めません。
効かない治療を継続することや、効かない薬を飲み続けるメリットはありません。
これを、私が行うトリガーポイント鍼灸に置き換えてみてください。
1回で期待する効果が出れば良いのですが、長引く痛みは、治療期間が長くなる傾向にあります。
私は、1週間に2回の治療を2クール=2週間で4回の治療。
それが無理なら、1週間に1回の治療を3クール=3週間で3回の治療で、評価しています。
何故一定期間に、それなりの回数の治療が必要であるかを、初診時に時間をかけてお伝えします。
(3~4回で完治すると言う意味ではありません。)
しかし、取りあえず1回だけの治療を希望される患者さんが、最近多くなりました。
1回の治療でも、お引き受けしますが、効果が出なかった場合、治療自体が効果が無かったと言うより、回数が足りずに効果が出なかった可能性が残ります。
出された薬を飲まなずに、良くならなかったと言っている事と同じです。
次に繋がらない可能性があります。
効くか効かないをはっきりさせないままにしていると、どこかに神の手を持つ人が居る、魔法のような治療法があると考え、何年もウロウロしながら、全く治療が前に進んでいない患者さんを、よくお見受けします。
私は、3~4回の治療で、焼き魚を骨のみにするイメージで治療を行っています。
あくまでイメージですが、筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれる痛みであれば、上記の回数で何かしらの変化が出るはずです。
カテゴリ:独り言
ebara / 2015年09月10日(木) 07:05
痛みの事は、まだまだ分からないことだらけです。日本の痛み医療は、欧米よりも20年以上遅れているとも言われています。
長引く痛みを一言で痛いと訴えても、炎症による痛み、筋肉、筋膜由来の痛み 、神経が傷ついた痛み、脳が記憶したり、過敏化した痛み、etc が複雑に絡み合っているのだと思います。
炎症に伴う痛みは、お薬の出番です。
痛みが長引き、行動制限が起こっている場合、カウンセラーが必要になるかもしれません。
スポーツをやっている人は、体の使い方を専門家にアドバイスして貰った方が、早く解決する痛みがあるかもしれません。
江原鍼灸整骨院.は、トリガーポイント由来の痛みに関しては、一生懸命に治療します。
と言う意味での、トリガーポイント療法専門院です。
本来は、長引く痛みを一つの方法で何とかしようとするのではなく、互いの治療の良さを認め合い、多種連携することが、患者さんだけでなく、治療を提供する側にもプラスに働くはずです。
しかし、言うは易く行うは難しが現状です。
カテゴリ:独り言
ebara / 2015年09月09日(水) 21:57
鍼灸の良さを患者さんに分かりやすく伝えるには、どうすれば良いか?
それは、可視化が一番と言う事で、当院も、超音波エコー観察装置を導入しました。
超音波エコーというと、よく妊婦健診で使っているイメージがあると思いますが、実は運動器疾患を診るのにとても役立ちます。
妊婦さんに使えると言う事は、人体に悪影響が無いとも言えますから、繰り返し患部を観察することが出来ます。
鍼灸治療を行う上でも、いわゆるトリガーポイントや筋膜などの軟部組織が、関係する痛みなのか?
血流増加などの炎症所見があるのか?
骨折や血腫や腫瘍があるのか?刺鍼部位に肺や血管や神経はないか?
を判断することは極めて重要です。
つまり、鍼治療が適応する痛みなのかどうかを、これまでの経験値に加えてエコーを用いることで、その精度を向上させることができます。
また、治療部位の適切な同定のためには、圧痛と患部の動きが重要ですが、それにもエコーが役立ちます。
圧痛部位が実際はどの部位なのか?
動かした時の痛みは、どの部位が実際に動いているのか?をエコーで観察できます。
つまり、より適切かつ有効的な鍼治療を可能にするのです。
下のモニター画像は、肩関節の前側、専門用語でいうと大結節と小結節を描出したところです。
カテゴリ:お知らせ
ebara / 2015年09月02日(水) 22:13