痛みに関する話題を綴った日記です。
痛みも、線維筋痛症、そのグレーゾーンである慢性広範痛症、慢性局所痛症と言う病態抜きにしては語れなくなってきました。
末梢性感作、中枢性感作と言ってもよいのでしょう。
一部は真実でも、全てが真実であるとは限らないのですから、痛みを診る者は、過去の考え方に捉われていてもいけませんね。
カテゴリ:治療室こぼれ話
ebara / 2012年01月26日(木) 08:00
下の図の左に書いてある物は、要痛原因因子とされる構造の異常の事です。
これらは、画像診断で診断が可能です。
しかし、腰痛患者よりも、腰痛患者で無い方が、構造異常が多いと言うことは、腰痛の原因と言うには無理があると言う理論が成り立ちます。
画像診断は、悪性腫瘍や骨折、上記のような構造破綻は診る事ができても、痛みの原因事態を特定できるものは、極稀なのです。
レントゲン検査には、被爆と言うリスクも付きまといますから、最小限度にとどめたいものですね。
カテゴリ:医療情報
ebara / 2012年01月17日(火) 12:54
読み終わりましたが、最近読んだ本の中では、一番の良書でした。
生きていく上で、治療家として、ヒントがたくさんありました。
常識とは、正しいことではなく、単なる、先入観の堆積物にすきない。
(あっ、そっか)と(まあ、いいか)このつぶやきが治癒力を引き出す。
院の貸し出し本に追加します。
カテゴリ:読書
ebara / 2011年12月30日(金) 01:42
60ページ から引用。
現代は誰もが心と向き合わなければならない時代です。心身症を生活習慣病と考えるべきだと思います。
院の貸出本に追加します。
新品を注文して、明らかなUSED商品では、気分も萎えます(笑)
カテゴリ:読書
ebara / 2011年12月23日(金) 08:44
m_chiro先生が、熊澤孝朗先生にインタビューされた時の記事です。
このインタビューは、以前にもブログにUPしましたが、最近読み直す事があり、新たな発見や再認識させられる部分が多々ありましたので、一部抜粋して、備忘録にしたいと思います。
臨床家はそういう患者の訴えがあったら、それをまともに受け止めるべきです。
それが痛みというものだと。
極端なことを言えば、患者が痛いと言えば痛いんだと。
そう思わねばならないですね。
慢性痛症においても、痛みがあれば人間は必ずそれを防御する姿勢をとる。
慢性痛症の場合は末梢に原因がない痛みですが、痛みを感じる部位は存在していて、それをプロテクトする。
変な姿勢を何週間も続けていれば、健常な人でも痛みが起こりますよね。
つまり、防御姿勢をとり続けるがために末梢組織に2次的な障害を起こして急性痛が発生してしまう。
こういう経過で慢性痛症の痛みと2次的に発生した急性痛とが混在しているわけです。
これらを鑑別して治療にあたることが重要ですね。
防御によって起こる痛みにも対処する必要があるし、鑑別する必要があります。
そういう現象に対しては医者には手が出ないことが多いですよね。
そこにコメディカルの働く場所がある。
慢性痛症の痛みでも、その患者さんはそこが痛いと思っていたのが、実はそれは防御姿勢が起こした痛みで、2次的に発生した痛み、つまり急性痛であることがあります。
これは、そこにある組織が障害を受けたことによって出た痛みであって、普通の生理的な痛みです。
まずはその痛みに対処することです。
そこから慢性痛症の治療が始まるわけです。
その2次的な痛み、そういう痛みを取り除くだけで、かなりの患者さんが痛みから逃れられる。
防御姿勢などによって増幅された痛みを取り除いてから、次に、慢性痛症の痛みを真っ当に慢性痛症として治療してもらう。
上記、青色のような概念が、痛みを診る側に欠落している訳です。
こう言う概念が普及すれば、手術適応になる病態は限りなく少なくなるはずです。
少なくとも、MPSと言う病態への理解が深まれば、救済される患者さんも増えるはずです。
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2011年12月07日(水) 07:32
http://fibro.exblog.jp/15033764/
線維筋痛症を抜きにした腰痛の議論はナンセンス
線維筋痛症を知らなければそれよりも広い概念であり患者数の多い慢性広範痛症や慢性局所痛症は当然知りません。
ましてや中枢性過敏症候群は全く知りません。「腰痛にはストレスが関与している。」では不十分です。
日本以外の先進国では線維筋痛症は常識です。
下の図では、線維筋痛症、慢性広範痛症を合わせると12%になります。
8~9人に1人が、長引く痛みに苦しんでいると言うのに。。。
何故、日本整形外科学会は線維筋痛症を認めないのでしょうか?
原因不明と言われる腰痛85%の中に、線維筋痛症、慢性広範痛症、慢性局所痛症の患者さんが数多く居るのは、容易に想像できそうですね。
カテゴリ:痛み痺れ
ebara / 2011年12月02日(金) 08:02
脊柱管狭窄症と言う診断を、複数の病院で受けておられる高齢の患者さんが、隣県から通院してくださっています。
6年ほど前から、100メートルも歩くと脚が痺れて休まなければいけない。
間欠性跛行と呼ばれる病態です。
脊柱管狭窄症と診断されてからも、何度もギックリ腰になり、病院に行くたびに手術を勧められるそうです。
最近では、体位を変えようとすると、脚が攣り激痛が走るそうです。
治療中に、触察しようと他動的に脚を動かす時にも、何度も攣るのでなかなか治療が進みませんでした。
あれだけ激痛で攣った脚が嘘のように攣らなくなった。
恐くてまだ長い距離は歩いていないが、週末は立ち仕事も楽にこなせて、自分の脚ではないように軽い。
長時間の座位などでも脚が痺れたが痺れ無くなった。
二回施術が終わった時点での感想をいただきました。
この方の症例を通して感じる事は、改めて、腰下肢痛の原因が脊柱管狭窄症で起こると言う説への大いなる疑問。
腰痛の85%が原因不明で、心理社会的要因と言う事で処理してよいのかと言う疑問です。
先日のブログ記事、腰痛の大半が心理社会的要因によるもの?にも書いていますが、こんな単純な治療をたった二回
行っただけで、長年の痛みがこれだけ良くなるのなら、構造破綻モデル、心理社会的要因、両極端と
も言える考え以外に、もっと他に何かあると気付かなければいけないのではないでしょうか?
救済される患者さんは一向に減らないどころか、逆に増えてしまうのではないかと危惧してしまいます。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年11月24日(木) 08:51
80代の女性の患者さんが、数日前にトイレで長時間いきんでから、座ると足が痺れて仕方がないと言って来院されました。
ここまでは、何も珍しくないのですが、この患者さんは、私の悪い所はここです!と左右の大殿筋の上縁部を押さえて示して下さります。
ここが張って来ると足が痺れますと仰ります。
大殿筋の上縁部の索状硬結を丁寧に触察すると、患者さんが、あ~そこ!そこ!と言って反応されます。
リリースすると、あ~楽になったと言って帰っていかれました。
この患者さんは、トリガーポイントや関連痛の知識はないはずです。
少し不思議な症例でしたが、こんな患者さんばかりなら、手っ取り早いですね。
カテゴリ:鍼灸
ebara / 2011年11月18日(金) 08:52