過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
急性炎症の五大兆候を呈する男性の患者さんが見えられたのが先週の事です。
画像では分かりにくいかもしれませんが、右手首が赤く腫れあがって熱感がありました。
鍼でなんとかならないかと言う事でしたが、問診しても手を付いたりした覚えはないと言う事なので、かかりつけの医師のところで事情を話して、血液検査(除外診断)をするように勧めました。
こう言う時に一番最初に頭に浮かぶのは、偽痛風や関節リウマチではないでしょうか?
画像では分かりにくいですが、熱感があり赤く腫れあがます。特に4指、5指の間は腫れで骨間が分かりにくくなっています。
23年2月17日撮影 (画像掲載承諾済み)
血液検査の結果をお持ちになられましたが、CRP,血沈の数値が高値を示していました。
高値=即、リウマチと言う事ではありません。何か炎症があると言う事が分かっただけです。医師はリウマチの心配は無いでしょうと仰ったそうです。昨日来院された時は、腫れも痛みも無くなっていました。
23年2月21日撮影
ある患者さんは4軒目の病院でリウマチの確定診断が出来ました。上の記事の患者さんも、繰り返すようならば再検査が必要になるでしょう。MPSの治療は並行して行えば良いと思います。
30歳代後半の男性の患者さん。前回、来院された時は、腰から右脚の痛み痺れ。今回は、腰殿部痛と左脚の痺れ。
ペインクリニックでは、椎間板ヘルニアが原因であると診断を受けておられます。前回来院時は、足を引きずりながら来院されましたが、椎間板ヘルニアと痛みとの関係には大きな矛盾があること、筋痛と言う考え方で治療すればと提案させていただき、トリガーポイント鍼の効果も大きく、2回で治療終了しています。
今回、別件で来院された時に、前回は右脚でしたねと確認したところ、そうでしたか?と、すっかりどちらの脚だったか忘れてしまうくらい好調だったようです。今回も梨状筋の大転子付着部に鍼を刺したところ、関連痛が確認できました。小殿筋の最深部にも同じく、あ~そこそこ!と言うポイントが沢山見つかりました。施術後は、随分楽になったと仰って、笑顔で帰って行かれました。
赤い丸印のみ治療。脚の色は、訴えておられる痺れの部分。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2011年02月08日(火) 11:17
30歳代の女性の患者さん。
元々腰痛はあったが、強烈な右殿部と下肢の痛みに襲われ、半年前にスベリ症の固定術の手術をされました。術後、強烈な痛みはなくなったようですが、少しづつ痛みは和らいでいるようですが、また、腰痛が酷くなったとのことで、はじめて来院されました。メスを入れた付近の多裂筋、腸骨稜の筋付着部、右の小殿筋を中心に鍼治療をしました。
治療後は、体が楽に動かせる事にビックリされていました。鍼の効果が数時間しか持たないのか、それを機に治っていくのかは分かりませんが、少なくとも悪い筋肉に目星を付けて、そこに鍼を打つ→症状が楽になる。こう言う単純な図式ですから、筋肉のトラブル(MPS)と言う考え方を中心に、治療戦略を立てていけばどうでしょうかとアドバイスしておきました。
ただ、大きな手術をした人に、このような考え方が受け入れられるかどうかは分かりません。散々、痛い目をして、医師にスベり症が原因とノーシーボをかけられている訳ですから。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS),トリガーポイント(TP),線維筋痛症(FM)と言うありふれた病態が世間一般に認知されなければ、このようなケースは後を絶ちません。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2011年02月07日(月) 08:40
陸上を本格的やっている10代の女性の患者さん。主訴は、走り込みが増えて地面を蹴る最後の動作で痛みが出ると言うものです。
どこが痛いと言うと脛と甲の部分、圧痛が沢山あります。どうしたら痛いと言う目で診れば、ふくらはぎの筋肉が一番に上ってきます。もちろん、臀部や大腿の筋肉、体幹の筋肉、その機能の考察など行っていれば、いくら時間があってもキリがありませんから、単純に圧痛の酷い箇所から、前脛骨筋、長趾伸筋、長拇趾伸筋をメインに鍼治療しました。
相反抑制と言う考え方を用いれば、拮抗筋を緩めれば、ある程度は反対側も緩むはずですから、ふくらはぎの筋肉は今回はノータッチです。
昨日、来院された時の話では、痛みもなく部活の練習が出来たそうです。
今回の痛みの要因で、一番大きな問題は運動量だと思いますが、運動量やフォームの見直しは、こちらの手の届くところではありませんから、アドバイスだけと言う事になります。
自分がやっている治療が、何をしているかしっかりと把握できていれば、治療戦略の見直しも容易に出来ますね。私の例で言うと、自分が割り出した筋肉にしっかり鍼を打てたかどうか、しっかり打てたのに変化がなければ再考察、これのくり返しです。
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