過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
歩いていると、ふくらはぎが痛んでくると言う60代の女性の患者さん。
ふくらはぎの触感を一言で言うと、硬化して弾力が無くなったゴムのようです。体全体の皮膚の色も悪く、乾燥肌で、内分泌系の疾患でも抱えているかのような感じです。
実は、この患者さんは、二月ほど前にも同じ症状で来院されています。今回の問診でも特に気になるな疾患も無く、深部反射 etcにも問題がない。この二ケ間の様子を聞くと、凄く調子がよかったそうなので、動脈硬化などの脈管系の問題もないように思えました。
膝が長らく正座が出来ないので、股関節、足関節の機能も失調していましたので、あわせて治療して様子を見てもらうことにしました。
痛みは、すぐに良くなりましたので、MPSと言う判断で良いと思いますが、私見ですが、この患者さんの場合、肥満や皮膚の色etc (視診)から、 血液像に異常所見がでていなくても、食事や運動など生活習慣を変えていく必要があるように思える症例でした。未病と言うと胡散臭く思われる方も居るでしょうが、東洋医学的な診方も重要だと思います。
トリガーポイント鍼三回終了時の患者さんの様子です。バス停まで休む回数が半分以下に減った。激痛は全く起こらない。痺れは残っているが、治療前に比べると随分マシ。ここまでは、よくあるお話しですが、今まではトイレにすぐ行っていた(瀕尿)が、その回数が大きく減った。足元がいつも冷たく、すぐに暖房が必要だったが、今は足がポカポカして暖房がいらなくなったそうです。殿部のトリガーポイントを処理すると、主訴以外に、このような症状が改善することも珍しくもありません。何より、この患者さんは前向きです。
脊柱管狭窄症と言う病気を、以前は常に気にしていたけれど、私の話を聞いてから、気にしないように心がけている。久しく遠ざかっていたゴルフに行ってみるとも仰っていました。
痛みを常に感じている脳は、マイナスの学習をしているようなものですから、筋肉(末梢)の治療で、症状が少しでもよくなる事は、ある意味プラスの脳内学習だと思います。筋肉(末梢)の治療は、可塑的変容してしまったソフト(中枢)への介入にもなると考えます。同時に、患者さんに、その事を意識してもらう事は、とても重要な事だとも思います。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2011年12月05日(月) 07:34