過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
はっきりした原因もなく、頭頂付近(画像のピンクの部分)に暖簾が触れるだけでも痛みが走るので、医科を受診。医科では、後頭神経痛?ではないかと言われただけで、薬も検査も患部に触れられることもなく、しばらくしても痛みが続くなら、MRI検査でもしましょうと言われ、そのまま帰されたそうです。
ギックリ腰を起こした時に、私が行ったトリガーポイント鍼がよく効いたのを思い出して、頭の痛みにも効果がないかと来院された高齢の患者さん。詳しく聞くと、頭痛が起こる二日くらい前から、異様に首筋が凝り、その後、首の凝りがマシになった頃から頭痛が起こったそうです。
頭痛と言っても、表皮の痛みのようですが、念のためにレッドフラッグの取りこぼしがないように、問診や徒手検査は慎重に行いました。後屈してもらうと、右側の頚部の筋肉がうまく機能していませんでしたので、後頭下筋群を重点的に、最長筋、半棘筋、肩甲下筋もあわせて治療しました。その場で痛みは楽になりましたので、後頭神経痛ではなく、単なるMPSと思われる症例でした。(診断ではなく判断)
後頭神経痛で検索すると、脳神経外科のサイトでさえ、矛盾だらけと思えるような内容を羅列していますから、多くの患者さんは、頭の神経が押さえつけられているから痛む。それを疑う事もないでしょうね。手のみ数分の治療で取れる痛みなのに。。。
いわゆる手首の腱鞘炎の症例です。腱鞘炎は長拇指外転筋腱、短拇指伸筋腱の炎症と考えられています。痛みが起こっている部分を原因と考えるか?それとも、他の場所に原因があり、その部分が炎症を起こした。つまり結果と考えるのか?
わかりやすく書くと、膝をかばっている間に腰が痛くなる→腰を治療すると楽になるが、すぐに元に戻る。このような場合は、膝の治療が必要になってきます。しかし、実際はそんな単純なものではなく、隣り合わせた筋肉どうしだけでなく、身体じゅう膜で繋がっていますから、遠く離れたところが、痛みを訴える場所に大きくかかわっていても不思議ではありません。
そこに、痛みを認知する脳と言う部分が加われば、さらに複雑です。ある部位を治療して良くなった=そこが原因だったとも言い切れないことにもなります。あくまで、そこを操作してリセットしたと言うほうが適切かもしれません。
先述した病態で、手術を勧められていた患者さん。長拇指外転筋腱、短拇指伸筋腱、その筋骨接合部を治療しましたが、痛みは随分楽になって仕事にも復帰できたのですが、今一つすっきりしません。結論から言うと、腕橈骨筋の起始部の治療でうまく行きました。
運動連鎖と言う意味では、腕橈骨筋を候補にあげることは、そう難しくありません。ただし、患者さんが訴える場所以外を治療すると言うことは、私が何故そう推測したかを理解してもらう必要があります。
この方の場合を例にあげれば、手首の痛みに対して、肘のうえ辺りに鍼をすることになります。すべての患者さんが、理解してくださる訳ではありませんし、医科が扱う保険診療では、制度上の問題もでてきますから、全身を診た方がよくても、患部のみを診ると言う形にならざる負えないと思います。
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