過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
椎間板ヘルニアの手術をしても痛みが取れないと言って、来院された20歳代男性の患者さん。左腰から左臀部、左大腿にかけて強烈な痛みを訴えられます。
世間では、坐骨神経痛と呼ばれる痛みです。痛みを止めるために処方された、ロキソニンもリリカも、全く効かないと訴えられます。
いつものように、深部反射や徒手検査を行いましたが、異常所見は見つかりませんでしたので、筋・筋膜性疼痛症候群、筋痛症と判断し、トリガーポイント鍼治療を開始しました。
初回の臀部の外旋筋群の治療で左大腿の痛みは消え、その後は、腰の痛みだけとなりました。
最終的に一月半の間に五回の治療で寛解と言える状態になったので略治とした症例です。
カテゴリ:首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2014年09月23日(火) 19:00
50代女性の患者さんが、腰の椎間板ヘルニアの痛みを訴え、知人の紹介で来院されました。
主訴は、1年以上前から続く、右の臀部や脛にかけての痛みです。
座位で症状が悪化するそうで、整形外科を受診し、MRI等の検査の結果から、椎間板ヘルニアが痛みの原因と診断され、ブロック注射や飲み薬や湿布が処方されたそうです。
しかし、どれも効果を感じられなかったと言うお話でした。
それとは別に、鍼治療や民間療法も受けたが、1日くらいは痛みがマシになるかな~と言う感じだったそうです。
私は、徒手検査、深部反射等に異常所見がないことから、筋・筋膜性疼痛症候群の痛みではないかと判断し、トリガーポイント鍼治療を週に2回のペースで治療を開始しました。
主に股関節の外旋筋群と下腿の伸筋群に活性化したトリガーポイントが見つかりました。
患者さんのお話では、最初の数回は、痛みに大きな変化は見られなかったが、治療を開始して、10日過ぎ辺りから痛みが軽くなっていることを自覚できるようになったそうです。
最終的に、1ケ月半の間に8回のトリガーポイント鍼を行い、痛みが気にならなくなるまで寛解しましたので、略治とした症例です。
カテゴリ:首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2014年09月22日(月) 07:40
30代後半の女性が、インターネットで検索されて来院されました。
主訴は腰痛ですが、ぎっくり腰と言えるくらい酷いもので、腰を90度に曲げたまま、痛みの為に全く腰を伸ばすことができません。
徒手検査、問診などから、筋・筋膜性疼痛症候群と判断し治療を開始しました。
問診では、腰の下の方が全体に痛いと言うお話でしたが、右の第3~4腰椎の高さ横の最長筋と多裂筋の間に、活性化したトリガーポイントが見つかりました。
置鍼20分と手技治療を加え、その際反応が強い所を、単刺(鍼を入れてすぐに抜く)を行いました。治療後は、腰もまっすぐに伸ばすことができるようになりましたので、一回の治療で略治とした症例です。
患者さんは、長年腰痛持ちだったそうですが、ここまで酷くなったのは5回目で、整体と名の付くところも色々行ったが効果を感じられなかった。
鍼は痛いものと言う先入観から、恐かったけれど藁をもすがる思いでトリガーポイント鍼を受ける気になった。実際に体験してみるとその効果にビックリした。
悪い所に鍼が当たると、まさに自分の痛む場所はソコ!と言う感じで、鍼は痛いものではなかった。これならば、もっと早くやれば良かったと言う感想をいただくことができました。
主に下のような太さの鍼を使用します。ボールペンの先と比べると鍼の細さがわかるでしょうか?(すべて使い捨ての鍼を使用します。)
カテゴリ:腰の痛み
ebara / 2014年09月19日(金) 08:47
自律神経とは、自分の意思とは関係なく、自動的に働く神経で交感神経と副交感神経に分けることができます。
交感神経が亢進する時は興奮や集中している時で、胃腸の働きは低下し血管が収縮し、汗をかいたり心拍数は増加します。
スポーツをしているときの様子を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
一方、副交感神経が亢進している時は、リラックスしている時です。
この時、胃腸の働きは活発になり、血管は拡張して心拍数は減少します。
本来、交感神経と副交感神経は互いにバランスを取って、体の恒常性を保っていますが、そのバランスが崩れた状態を自律神経失調症、不定愁訴と考えると分かりやすいかもしれません。
これらは、症状があっても検査では異常が見当たらず、安易に精神的なものと済まされたり、周囲から理解が得られない辛さが加わる場合も多く見受けられます。
このような点では、痛みで苦しんでいる方と同じ事が言えるかもしれません。
自律神経失調症や不定愁訴の症状は、頭痛、頭が重い、肩こり、ヒステリー球と呼ばれるような、喉の詰まった感じや異物感、吐き気、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢、倦怠感、食欲不振、不眠、イライラ感、不安感、耳鳴り、顎関節症、動悸、胸が苦しい、めまい、立ちくらみ、のぼせ、冷え、etc 。多岐にわたります。
自律神経失調症や不定愁訴の症状は、慢性的な交感神経の緊張が関与していると考えられています。
筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイントは、交感神経の過緊張とも関係が深く、痛みやシビレ以外にも上記のような症状を引き起こします。
また、交通事故などでのむちうちは、痛み以外にも、めまい、頭重 etc
をともなうこともありますが、そのような症状が、トリガーポイント療法で寛解することもあることから、自律神経失調症や不定愁訴の症状は、活性化したトリガーポイント、筋・筋膜性疼痛症候群と深いかかわりがあるとも言えます。
そのような場合、トリガーポイント施術を行うことにより、上記症状が改善する可能性は十分あります。
カテゴリ:自律神経失調症 その他の症状 ,傷病名
ebara / 2014年09月12日(金) 20:10