過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
今日、科学新聞社から送られて来た、カイロジャーナルに目を通した。
シルバーウィークに東京で行なわれた、加茂先生の痛みの講座の記事が出ていた。加茂先生の記事は、(いかに脳に介入するか)と言う言葉でまとめられていた。私も、まさしくその通りだと思う。
股関節を手術してから、痛みが酷くなった中年の女性が、久しぶりに来院された。
本人のお話では、術前は痛みが起こっても暫らくの間だけ痛いだけであったのが、術後は慢性的な痛みを抱え困っておられた。将来、このままでは歩けなくなるかもしれないと言われ、手術に踏み切ったそうである。おまけに術後は、股関節に負荷をかけないように、松葉杖の生活を1年間しいられたそうである。触診では患側の脚、とくに外側がパンパンだったのを覚えている。
今日の主訴は別にあったので、先にそちらを処置してから股関節や脚を触らせてもらった。触診しても、以前のようにパンパンに張った感じはなく、改めて患側の脚がどちらであったか本人に確認する程左右差は無くなっていた。
行なった治療と言えば、真似事のようなTP鍼が2回。患部中心の徒手治療が数回。あわせて5回程度。患者さんも、最近は痛みに悩まされるような事はなく、快調そのものだと喜んでおられた。この患者さんには、痛みに関する本をお貸しして痛みの勉強もしていただいた。
私自身は、今回の患者さんの場合、身体的な治療よりも、一時的な除痛と意識の変革→運動→自信→脳への介入。とうまくいったように思える症例であった。
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60歳代後半の女性の患者さん。
主訴は右手首の尺側(小指側)の痛み。思い当たるのは、台風が来る前にブロックを持ち上げ移動させた時に痛みを感じたそうです。
いずれ治るだろうと放置していたが、一向に良くならないので受診されました。手をついたりするのは問題無いが、重い物を掴むような動作の時にかなり痛み、持っている物を落としそうになるらしい。
まず、痛みが再現されるように重い物を持ってもらいました。明確に、ここが痛いと言うのではなく、この辺りが痛いと言う感じだそうです。手首には目立った圧痛もありません。
TP理論でいけば、尺側手根伸筋があやしいですし、尺側手根伸筋は痛みが出た時の動作とも関連があるように思えます。
うちの院に来られる患者さんは、鍼灸治療に対して理解があるかたばかりではありません。今回の患者さんもそのタイプに入るでしょう。そう言う場合バイオくらいの刺激に押さえて、効果があがる方法を探ります。
痛みが出ているラインを小腸経と考え、まずは陰陽交差で対称となる腎経のゲキ穴の水泉を探ると、かなりの圧痛がありました。そこにバイオイエローを貼って、動作確認をしてもらいましたが、楽にはなったようですが今一つのようでした。そこで、小腸経のゲキ穴の養老を探ると圧痛はありませんが、試しにバイオイエローを貼って動作確認をしてもらったところ、痛みなく持ち上げられるようになりました。
今回の患者さんに限らず、急性期のMPSの場合、井穴にバイオや直接灸、刺絡、経筋 etc痛みを解除するポイントや方法は沢山あります。
今回は敢えてTP理論を無視して尺側手根伸筋への治療や触診はしませんでした。私の場合、患者さんのタイプやその時々の状況で、治療方法の使い分けをしています。
追記、急性期としていますが、慢性期に対して遠隔治療が効果が無いと言う意味ではありません。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
大きな行事を控えて体調が悪くなる人。行事が終わって、ホッとしてから体調が悪くなる人。まさに人それぞれです。
孫の結婚式を控えている高齢の女性の患者さん。ここ数年大病を患い、何もかも自信が持てないようです。今回も、式には出てやりたいが、もし何かあって周りに迷惑をかけたらどうしよう。
そんな不安な事ばかりが浮かんできて、頭から離れないそうです。
2日程前から右肩の痛みを訴えておられましたが、昨晩は亡くなった母親が出てきて肩をさすってくれたそうです。
いずれにしても、MPSだと言う判断の元、右手の水かきの部分の圧痛の強かった、3指4指間と4指と5指間の骨間を丁寧にさぐってバイオイエローを2個貼りました。今日は、バイオを貼った事を強く意識させたいので、その上から白いテーピィングを小さく切って貼り付けました。
後は、リラックスをうながす目的で、百会中心にローラー鍼で気持ち良い程度に刺激を入れました。
症状が軽減しているのを確認して、冷水を二口程飲んでもらい、明日痛みが強くなれば、白いテープの上を押してやり、水を一口飲んで下さいと指示して終わりました。
今日の治療は、どちらかと言うとプラセボを強く発揮させ、症状が出た時の解除の方法をインプットした訳です。うまく行くかどうかは分りませんが、無事に式が終えられれば幸いです。
追記 無事痛みもなく式に出られたと連絡がありました。
腰が伸ばせず来院された30歳代の男性の患者さん。
仰向けで脚を抱え込むような動作でも腰に痛みが走ります。左側よりも右側の痛みが強いので、F4に右5壮、左3壮の直接灸を施しました。その時点で動作確認してもらうと少し楽な感じ。直接灸をした感触としてはあまり効果が無かったようにも思えたので、陰陽交差と子午治療に切り替えました。
まずは陰陽交差で左の右側の神門を圧して、左脚を抱え込んでもらうと楽に出来ると言う事なので、テイ鍼で細かく神門付近の最大圧痛点に、バイオイエロー固定。右脚を同じく抱え込んでもらう時は、左の神門よりも左の孔最のほうが効果があるようなので、同じくバイオイエローを固定。
この時点で動作確認してもらったところかなり楽になったと言う事でしたが、腰方形筋にジャンプサインが残っていたので、直接リリースして治療終了しました。
赤い印は治療ポイントです。