過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
60歳代の女性の患者さん。
家事に仕事に、働く娘さんの代わりにお孫さんのお世話もなさっています。元々、筋痛タイプの患者さんで色々痛みを抱えておられます。以前には、右脚への腰下肢痛で辛い思いも経験されています。
今回、色々な事が重なり、気分の低下、痛み、疲労が抜けないなどで、1月くらい前に初回の鍼施術をしました。
患者さんが仰るには、痛みや疲労だけでなく、1年間悩まされ続けていくつかの皮膚科で薬を処方してもらっても、夜には特に背中が痒くなりかきむしらずにはいられなかった痒みが、1回目の鍼治療直後からでなくなったそうです。
今日、おみえになりましたが、それ以来痒みに悩まされる日は一度もないと言う事です。
普通、鍼をしたら血管が拡張して血流がよくなるので痒みを誘発してもおかしくはないのですが、これも慢性痛症と言う概念を用いれば不思議ではありません。実際、鍼治療で痒みが治ったのかはわかりませんが、備忘録として書き留めておきます。
カテゴリ:症例報告 ,自律神経失調症 その他の症状
ebara / 2010年08月28日(土) 12:39
50歳代の女性の患者さん。
買い物途中にちょっと足が引っ掛かっただけで、その後杖なしでは歩けない程の痛み。特に股関節を胸に近づけるような動作が出来ません。腸骨筋、大腰筋の鼠径靭帯部付近にジャンプサインがありました。お腹から大腰筋を丁寧にリリースしていきました。
痛みは8割程度は除痛できましたが、全ては取り除けませんでした。
ふと左腕に目をやると、あちこちシールのような物が貼ってありました。どうしたのか聞いてみると、仕事で右手を酷使していた時には痛みはでなかったのだけれど、今回叔母の介護で一緒に住むようになってから、左手が痺れたり、蕁麻疹が出たり、他にも体調を落としているとの話でした。
痛み自体はMPSだと判断できる事。MPSの背景にはストレスを始め、色々な要因が重なり合っている事をお話ししました。
自分でも、頑張りすぎていると自覚していたので、凄く納得できたと仰って帰って行かれました。痛みの本態はMPSだとしても、その陰には色々な要因が絡み合っています。
ストレスと言っても、患者さんによっては、自分が生きて来た人生観を否定されたかのように取られる方もおられますので、最近、思考訓練や認知行動療法などについてのお話しは、めっきりしなくなりました。
50歳代の女性の患者さんが久しぶりに来院されました。
主訴は腰痛で、重い物を押したときに軽く痛みがでてから、だんだんと痛みが酷くなってきたそうです。急性の腰痛なので、治療としては難しくありませんが、全身が過敏化しています。
話を聞くところ、突然身内に不幸があり、あまりのショックで、不眠、突然声がでなくなると言うような症状が、痛み以外にもあると言う事でした。声のほうは、耳鼻科で検査されましたが異常なしで、様子を見ている間に1週間ばかりで治ったようです。
私は医師ではないので診断は出来ませんが、突然声がでなくなるような症状は、転換性障害と呼ばれるものに似ています。昔はヒステリーとも呼ばれていました。ストレスと深い関係があります。身体の症状がガス抜きになって、心身バランスを取っていると言う見かたもあるようです。
そして、この患者さんの痛みは、心身一如と言う観点から診た方が理にかなっているのではないかと言うお話しをさせていただきました。
患者さんも凄く納得が出来ると仰って、マイドクターを借りて帰られました。痛み以外の症状が辛い場合は、かかりつけの医師に相談するようにアドバイスしておきました。