過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
50歳代の男性の患者さんが、首から左肩~上肢にかけての痛みと痺れを訴えて来院されたのが、今月初めの事でした。
首を後屈すると、首から上肢にかけて強烈な痛みが起こる。安静にしていれば、痺れが気になって仕方がない。神経学的検査という位置付け? の、ジャクソン、スパーリング検査では陽性になります。肩のほうは、動かしても、特に痛みが誘発される事もなく、可動域の制限もありません。
深部反射 筋力検査 触圧覚 筋の萎縮 etc ひと通り診ましたが、除外しなければいけないような疾患はありません。この患者さんを紹介してくださったのは、数年に一回腰が痛くなれば来院される患者さんで、その患者さんの身近な身内には、名の通った整形外科の開業医がおられます。その方も、すべり症による座骨神経痛で、手術が必要と身内の病院で診断されて、私の院に来られた記憶があるので、鮮明に思い出す事が出来ました。
痛みを長く放置していたそうで、最長筋、肩甲挙筋 後斜角筋 僧帽筋の上部 小胸筋が悪くなっていました。現時点で、首を動かす事は問題なく出来るように回復しました。若干、腕の痺れが残っている状態ですが、この患者さんが訴える症状は、MPSと言う病態で間違いなさそうです。(あくまで、診断ではなく判断です。)
いずれにしても、痛みを放置しないことが重要です。
いつも、右脚の腰下肢痛で、年1~2回来院される60歳代の男性の患者さん。今回は、左肩の痛みで来院されました。
二週間くらい前から、何をしたと言う訳でもなく痛みだし、外転時痛が激しくなり、夜間痛みで起きる。首まで回らなくなったと言う事でした。いたるところに感作部位がありますから、広めにカバーしておきます。それだけで、取れてしまう場合も多いものです。
腰下肢痛は、医師には骨の棘が神経に触れているから、すっきりさすには手術しかないと言われておられていましたが、最近は調子も良く、ハードに作業をこなしても痛まなくなったそうです。結局、MPSと考え治療したほうがよいケースですね。ただし、患者さんの頭の中には、MPSと言う概念は全くありません。
この患者さんが訴えられていた、腰下肢痛が、鍼治療で良くなったのか?ほったらかしでも良くなったのか?それは、私にもわかりませんが、女性が行うお顔のピ-リングは、一旦組織を破壊して、あらたな組織に置き換えてあげるようです。
私が行う鍼治療も、悪い部分を破壊して感作構造を潰し、新たな組織に置き換えてあげようと言う考えも取り入れていますから、やみくもに鍼をするのではなく、治療する筋肉をしっかり厳選して行います。巷では、トリガーポイント鍼は痛いとも耳にしますが、私は、鍼の痛みを我慢させてまで行うような、乱暴なやり方はいたしません。