過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
30代前半の女性の患者さん。
膝のロッキング現象を訴えられて来院されました。このような訴えは、一般的に半月板の損傷にようるものと言われています。膝が曲がったまま伸ばせない嵌屯(かんとん)症状のような病態ではありません。嵌屯症状の中には、著しい半月板の損傷が原因の物もあるかもしれません。
この女性の方は、三回の治療でロッキング症状はなくなりました。鍼治療で、半月板の損傷が治るはずありませんから、大腿の筋肉のMPSと考えるのが妥当ではないでしょうか?
初回は、大腿の筋肉は感作部位が沢山ありましたが、三回目の治療では、殆ど感作部位も見辺りませんでした。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
気候の変わり目なのか?風邪を引いて咳を繰り返している間に、脇腹に痛みが起こった50歳代の男性の患者さん。
咳で肋骨が折れたのかと思い、病院に行ったところ、レントゲンは撮って貰えず、肋間神経痛と診断されたそうです。結局、痛み止めと湿布が処方され、暫く様子を見ましょうと言われたそうですが、三週間経過しても痛みが引かないので、紹介で来院されました。
特に、左の脇腹の痛みがひどいそうです。
肋骨への圧迫で痛みは誘発されないので、骨折は考えにくいと判断しました。体幹の左右の回旋、吸気時に痛みが誘発されます。
肋骨角の上部や前鋸筋のジャンプサインがあるポイントをリリースし、横隔膜も同時にリリース。他にも、斜角筋。肋骨角を押さえると脇腹に関連痛が生じます。上部胸椎付近で、呼吸が抑制されているように感じたので、呼吸リズムが回復するように治療をしました。
筋肉は繋がって動いていますから、単純に○○筋が原因とは言えないケースのほうが多いように感じますから、総合的に判断し治療を行っていきました。
治療後は、痛みが嘘のように楽になったと言ってお帰りになりました。もちろん、訴えられる痛みをうまく解除できても、それを機に良くなるのか?また、繰り返すのか?それは、誰にもわかりませんが、こんな簡単な治療で痛みが楽になるのなら、MPSと考える方が妥当ではないでしょうか?
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斜角筋症候群(胸郭出口症候群)の病態に似た50歳代女性の患者さんが来院された。
主訴は、マウンテンバイクに乗ったり、山歩きなどでリュックを背負うと、左手が正座の時のように痺れ感覚が無くなった感じ、手を振ると元に戻ると言われます。
先の、斜角筋症候群を読んでもらえばわかると思いますが、筋肉が神経や血管を圧迫して、痛みや痺れが起こるとされています。
他にも手根管症候群も同じ考え方ですね。世間で言われる、座骨神経痛の原因に梨状筋症候群がありますが、筋肉が神経を絞扼していると言う考え方です。ヘルニアの場合は、ヘルニアだけで痛みは起こらず、髄核から出たTNF-aと言う物質で神経線維に炎症→痛みと考えられているようです。
脊柱管狭窄症は、骨性の神経圧迫と言われています。ある時は、神経を押さえたら痛みが起きる。押さえるだけでは、痛みは起きない。炎症物質が起因している。etcいずれにしても、神経を押さえると=痛みと言う考え方がスタート地点ですから、筋性疼痛の事は見向きもされません。
NSAID,TPB注射、鍼治療、ましてや徒手治療に反応しそうな病態ではないですね。
この患者さんは、斜角筋を押さえると、上肢だけでなく、左脇腹まで関連痛が広がります。
深部反射や皮膚の触圧覚には異常ありません。
斜角筋や小胸筋のMPSと判断した方が、妥当ではないでしょうか?事実、罹患筋をリリースすると、随分症状が和らぎました。
40歳代の男性の患者さん。随分前に椎間板ヘルニアの手術をされています。
今回、右の脚に痛みが出たので、インターネットの検索で脊椎専門医を受診。MRI検査の結果、椎間板ヘルニアによる腰下肢痛と言う診断。保存療法で様子を見ると言う事で、2回通院されたようですが、これでは良くならないと自分で判断され通院を中止。
ネットサーフィンで、私の院を見つけて受診して下さいました。この患者さんは、以前、ある本で幻肢痛の事を読んだ事があり、なんとなくヘルニアについて疑問があったそうです。このような、賢い患者さんばかりなら、治療する側も楽でよいですね。(笑)
ただし、理屈はどうであれ、キッチリと結果を出さないと双方にとって意味がありません。治療直後よりも、翌日のほうが楽になると言うお話しです。この方のように、治療直後ではなく、翌日や翌々日に楽になったと言われる方は沢山おられます。
今日で三回目の治療が終了しましたが、罹患筋と考えられるところは、あ~そこそこと言うポイントがまだまだ沢山あり、症状も大きく改善していることから、椎間板ヘルニアが原因ではなく、筋・筋膜性疼痛症候群の痛みが原因と言える症例です。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2011年06月06日(月) 12:14
50代後半の女性が、膝の痛みを訴えられて来院されました。
話を聞くと、週末に膝に激痛を覚え力が入らなくなり、膝を曲げる事が出来ず、あわてて救急病院へ駆け込んだそうです。
レントゲン検査の結果、軟骨のすり減りが原因ではないか?一週間様子を見て、痛みが引かなければ、半月板損傷の可能性があるので検査しましょうと言う事だそうです。
ちなみに、NSAIDが処方され、飲むと少し楽になったような気がするそうです。軟骨のすり減りが痛みの原因であると言う医師は多いようにも思えます。
患者さんは、大腿二頭筋短頭とヒラメ筋の腓骨接合部に、ジャンプサインがありました。ここをリリースすると、すぐさま膝が曲げられるようになりました。
患者さんに、一通り説明はしましたが、軟骨のすり減りが原因と言うレッテルは剥がしきれた感じはしませんでした。テレビでやたら宣伝している、〇潤でも買って飲もうかしらと仰っていました。
こんな単純な治療で良くなるのですから、患者さんが訴える症状はMPSと考えるのが妥当でしょうし、一週間様子を見るくらいなら、圧痛部にTPB注射をすればすぐに痛みが取れたようにも思えます。
追記
二回目の治療に来られた時の様子です。
医師には、安静を言い渡されたそうですが、治療後痛みがかなり軽減している事、腫れなどが無い事を確認して、お風呂上がりに出来る範囲でよく動かすように指導しました。それが、良かったかどうか分かりかねますが、痛みも殆ど気にならなくなり、患者さんも半月板の検査はしない事にしましたと仰っていました。
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