過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
60歳代の男性の患者さんが、右の股関節痛(本人の話では大腿外側)が、2週間前から、風邪で、10日ほど寝込んだ後に出てきたそうです。
総合病院へ受診。レントゲン異常無し。
局所に1ケ所注射(TPBと思われる)。痛み止め1日分の処方。
骨には異常は無いが、炎症が起こっているのでしょうと言う診断だったそうです。
その診断に納得が出来ず来院されました。
股関節を屈曲した時、大転子の後方に、ひっかかるような痛みが出ると言う事です。
20本の鍼を置鍼して、上から赤外線で温めた後、明確になったポイントへの圧を加えて、股関節の屈曲で痛みが出ると言う事なので、特に圧痛は認めませんでしたが、補助的に、腸腰筋に単刺(鍼を刺して、すぐに抜く。これの繰り返しの手技)と、その部分のストレッチで、症状は消えました。
ホント簡単な施術です。
いつも、こう上手く行くとは限りませんが・・・
病院での、TPB注射の効果が薄かったのは、注射針の性質上、TPにまで届いて無かったのでは無いでしょうか?
赤い印は痛みのあった箇所
青い印は、鍼治療した箇所です。
70歳代の女性の患者さんです。病態は多分手根管症候群と呼ばれる物でしょう。
昨年、手首の骨折後だんだん症状が酷くなり、夜も寝ていられないと言う事でした。
二回の鍼施術で、痛みはほぼ無くなりました。
但し、手根管症候群は、正中神経が圧迫されて起こるとされるので、通常薬指の外側や小指に症状が出る事はないはずです。
しかし、この患者さんは、親指と人差し指にあった痛みが消えたら、薬指、小指に痛みが移動したと仰ります。(痛みは当初より遥かにマシだそうです。)
親指と人差し指の痛みが酷くて分りにくかったのかもしれません。
こう言うケースは、珍しくありません。
赤い印が痛みのある箇所。
青い印が鍼をした箇所です。
私の場合、手のひらや足の裏は、鍼施術は痛みが他の部位よりきついので、施術する事はまずありません。
手の甲や、足の甲側は稀に施術します。
今まで、こんな単純な方法で、手術適用と勧められていた、手根管症候群と言われた患者さんを何人治した事でしょうか?
そして、私が知る限り、トリガーポイント治療をした患者さんで、この病態が再発した患者さんは知りません。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
70歳代の男性の患者さんです。
以前腰のヘルニアの時に、手術を勧められたが拒否して、1ケ月程度で回復したそうです。
今回は、腰の痛みはありませんが、赤い印付近に強い痛みがあります。
前回と同じ医院でお尻と腰に注射、数時間の効果はあったようですが、思うような効果が得られず、手術を勧められたので来院されました。
初診時、単刺(1本の針で治療して行く)治療などで奏功。
但し、夜には痛みがぶり返して来たそうです。
2日目は、更に刺激量をあげるべく、臀部、大腿外則、ふくらはぎへ置鍼。しかし、患者さんが思うような効果が出ず、初診時の治療を希望されましたので、今日再度試みました。
夕方、御家族がみえましたが、経過は良いようです。
次回からは、ふくらはぎへの治療中心でいけそうな感じです。
まさに、治療とは、患者さんと治療家で作り上げて行くもんですね。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2008年01月10日(木) 21:20
赤い印の箇所に激しい痛みがある、60歳代の男性の患者さんが来院されました。
初発は、右の親指の痺れから始まったそうです。
それが、次第に腋の付け根から、肩の激痛へと変わって行ったそうです。
近くの総合病院の神経内科へ受診したそうです。
何故、神経内科に受診したかと尋ねたところ、経験的に整形外科では???だったからだそうです。
しかし、行われた診察は、レントゲン撮影。説明は、頚椎の5番の椎間板ヘルニアによる神経圧迫。
首の前湾の消失。
すぐに手術の必要は無いが、手術したほうが早い。
治療としては、牽引が良いとの事だったそうです。
そこで、僧房筋上部、肩甲挙筋、頚頭板状筋、棘下筋、前腕の圧痛部に鍼をしました。
今日、2回目の治療でしたが、良好のようです。
カテゴリ:症例報告 ,首・腰の椎間板ヘルニア
ebara / 2008年01月09日(水) 21:17
あるスポーツによる肩の痛みで、午前中授業を抜けて友達に連れられて来院されました。
図の赤い点に痛みがあります。
筋肉で言えば、上腕二頭筋健長頭腱、棘下筋、小円筋、大円筋と言う事になるでしょうか?
実際、かなりの強豪校で、日本代表に2名OGがいます。
絨毯爆撃のように、赤い印近辺に単刺(鍼を抜いては刺すを繰り返す)。
手技とテーピングで処置。
かなり、軽くなったと喜んでいましたが、結局、生徒は指導者に痛いとは言いづらい、言うと指導者が推薦する自由診療に行かされる。
など、強豪校になれば、絶対的上下関係が存在します。
どんなスポーツも競技レベルは、確実にアップしていますので、肉体への負担は大きくなっているように感じます。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
腰痛で色んな病院での治療経験があります。若い頃は、(勿論MRIなど無かった時代)椎間板ヘルニアと言われていたそうです。勿論、定番の牽引、注射、マッサージも経験済み。
ある病院では、80歳を超えてるにもかかわらず、週2~3回毎回リハビリで、腹筋背筋のトレーニングをやらされていたそうです。(自動運動は悪くないと思いますよ。)
80歳を超えておられるのですが、自分でネットをこなして情報収集されています。知識を持つのは良いと思いますが、正しいかどうかも分らない情報に、振り回されては元も子もありませんよ。
自分の腰痛の原因は、大きく右にかたむいた背骨の為と思っておられます。この歪みさえ治ればと思っておられました。実際、そのような部分には、筋硬結や圧痛点が例外無く見られます。
僕自身、圧痛点や筋硬結は、自覚症状の無い健常な人にも見られると思っていますが、鍼灸師の立場から毎日患者さんの身体を触っていると、そう言う部分にツボと呼ばれる部分が多く存在するのも事実ですし、トリガーポイントと一致する部分が多いのも事実です。
勿論、治療するポイントになります。余談ですが、ツボは簡単に言うと、筋肉の境目などにあるピンポイント。少しだけでもずれてしまえば、他のツボになりかねない。
トリガーポイントは、主に筋腹に存在する、ゾーンとして考えられると最近読んでる本に書いてあります。
赤い印は、この患者さんが痛みを訴えるポイントです。
前回の治療後は、数日間いままでに無いくらい調子は良かったと喜んでおられました。
今日は、もう少し脊柱に近く深い部分の筋肉を狙いたかったので、3番2寸の鍼を28本打ちました。
前回は、同じ本数で2番1寸6分の鍼を使いました。