過去に治療を行った症例報告です。治療部位毎に経緯などをまとめています。左側のカテゴリ選択から治療部位を選択できます。
40歳代の女性の患者さんが、テニス肘を患って来院されました。
去年、初めて来院されたときは、背部の痛みで二回治療しただけで、その後の経過は分かりませんでしたが、久しぶり来院された時に治療のお話しを聞く事が出来ました。トリガーポイント鍼の治療後は凄く調子が良く、テニスの大きな大会で二回も優勝したと嬉しそうに仰ってくださりました。
患者さん曰く、自分勝手なもので、あれほど痛かった背部痛で駆け込んだのに、のど元過ぎればなんとやらで、で先生のことなどすかっかり忘れていたが、肘が痛くなった途端に顔が思い浮かんで来院したと言うお話しでした。小雪降る中、遠方から来院してくださった患者さんには感謝、感謝です。
さて、肝心の肘のほうですが、テニス肘と言うお話しでしたが、触診や運動考察では肘よりも、肩周囲の筋肉、斜角筋のトラブルのほうが重要に思えました。お話から、ここ最近テニスのサーブのフォームを変えたと言う事も分かりました。前腕、肘周りを治療しても、あまりスッキリしませんでしたが、斜角筋を処理すると肘だけでなく、肩全体も軽くなったと言ってお帰りになりました。
やはり、痛い所だけでの治療で効果が上がらない場合は、繋がりを見治して治療をするべきですね。
・江原鍼灸整骨院. 電話 075-463-8639
・京都市中京区西ノ京御輿ケ岡町10番地
・営業時間 9:00~12:00 16:00~19:00(水・土 午前中)
・定休日 日曜日 祭日
腰の手術をしたが痛みが取れず、あちこちで治療を受けられていた30代の女性の患者さんが、昨日二回目の治療に来られました。
一回目は、八か月前に治療をしています。
一般的な、トリガーポイント治療に加え、如何に今の痛みの治療の多くに矛盾があるかを説明しました。
この患者さんは行く先々で、言われるままの事を信じ、腰に悪いから、あれも駄目、これも駄目、再発と言うメガティブなことを刷りこまれ、自信が無くなっていたようです。
昨日も、私が話したことで、今までの霞がかかったような状態から抜け出せたような感じで、月に何度も腰の治療をしていたのに、なんやかんや言いながらも、八ヶ月間痛みから解放(とはいえ痛かった時もあるでしょう)されることが出来たようです。
今回は、触診と運動考察から、罹患筋を左右の多裂筋、左の腸肋筋、左の小殿筋をリリースしました。
結局、体の治療よりも、安心と言う薬が効いたと思えるような症例でした。
40代の女性が膝の外側の痛み、所謂、ランナー膝と呼ばれる病態で来院されました。
整形外科では、検査の結果、半月板の手術が必要。
日常動作で困る事はなく、歩き始めに痛みがあるが、動かしている間に痛みが楽になると言うものです。炎症や軟骨が減ってと言う事が原因ならば、動かし続けた方が痛みが出るように考えられそうですね。NSAIDも効果ありませんから、尚更、炎症などないように思えます。
外側広筋、殿筋 etc 丁寧に治療すると、一回の治療で一週間以上、痛み無く楽に動かせるようになったそうです。
本当に、手術しか治す方法は無いのでしょうか?
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60歳代の女性の患者さんが、親指のばね指と、親指が細かな作業をしていると指先の感覚が鈍くなり、そのうちに力が入りにくくなり、物が掴み辛くなると言って来院されました。
確かに、MPSの関連症状にも上記にあげたようなものがありますが、ばね指以外は、神経の絞扼障害でも起こりえます。MPSか絞扼障害のどちらか診断することは、医師以外には出来ません。
ただ、こう言う病態で受診すると、殆どの医師にMPSと言う病態が認知されていませんから、すぐに首のせいにされてしまう恐れがあります。
深部反射 etcを丁寧に診ましたが、異常はありませんでしたので、MPSと判断して治療をしました。結論から言えば、長・拇指屈筋 短・拇指屈筋、斜角筋の治療で、ばね指はその場で良くなりました。
今日、久々に来院されましたが、親指の感覚も筋力も戻り、細かな作業も問題なく出来ていると言うお話でしたから、MPSだったのでしょうね。
長・拇指屈筋
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歩いていると、ふくらはぎが痛んでくると言う60代の女性の患者さん。
ふくらはぎの触感を一言で言うと、硬化して弾力が無くなったゴムのようです。体全体の皮膚の色も悪く、乾燥肌で、内分泌系の疾患でも抱えているかのような感じです。
実は、この患者さんは、二月ほど前にも同じ症状で来院されています。今回の問診でも特に気になるな疾患も無く、深部反射 etcにも問題がない。この二ケ間の様子を聞くと、凄く調子がよかったそうなので、動脈硬化などの脈管系の問題もないように思えました。
膝が長らく正座が出来ないので、股関節、足関節の機能も失調していましたので、あわせて治療して様子を見てもらうことにしました。
痛みは、すぐに良くなりましたので、MPSと言う判断で良いと思いますが、私見ですが、この患者さんの場合、肥満や皮膚の色etc (視診)から、 血液像に異常所見がでていなくても、食事や運動など生活習慣を変えていく必要があるように思える症例でした。未病と言うと胡散臭く思われる方も居るでしょうが、東洋医学的な診方も重要だと思います。
トリガーポイント鍼三回終了時の患者さんの様子です。バス停まで休む回数が半分以下に減った。激痛は全く起こらない。痺れは残っているが、治療前に比べると随分マシ。ここまでは、よくあるお話しですが、今まではトイレにすぐ行っていた(瀕尿)が、その回数が大きく減った。足元がいつも冷たく、すぐに暖房が必要だったが、今は足がポカポカして暖房がいらなくなったそうです。殿部のトリガーポイントを処理すると、主訴以外に、このような症状が改善することも珍しくもありません。何より、この患者さんは前向きです。
脊柱管狭窄症と言う病気を、以前は常に気にしていたけれど、私の話を聞いてから、気にしないように心がけている。久しく遠ざかっていたゴルフに行ってみるとも仰っていました。
痛みを常に感じている脳は、マイナスの学習をしているようなものですから、筋肉(末梢)の治療で、症状が少しでもよくなる事は、ある意味プラスの脳内学習だと思います。筋肉(末梢)の治療は、可塑的変容してしまったソフト(中枢)への介入にもなると考えます。同時に、患者さんに、その事を意識してもらう事は、とても重要な事だとも思います。
カテゴリ:症例報告 ,坐骨神経痛 脊柱管狭窄症
ebara / 2011年12月05日(月) 07:34
約1ケ月ほど前に、隣県から来院された女性の患者さん。陣痛よりも強い猛烈な痛みが続き、痛みと格闘して、疲れ果ててようやく数時間寝られるという訴えでした。男の私にはピンと来ませんが、相当な痛みであることだけは理解できました。
痛みを押し殺して病院へ行っても、画像診断異常なし→湿布の山と痛み止め。到底効くはずもなく、医師からは適切な説明もないまま、経過観察。途方にくれてネット検索され、来院してくださったそうです。二回来院してくださったのですが、その後お顔を見る機会もなく、経過もわからず気になっていましたが、元気な姿で来院してくださりました。
私のなかでは、唯一気になっていた病態があったのですが、細かな血液検査も異常なかったようですから、炎症性疾患や膠原病でなく、MPSだったのでしょうね。
今回のケースは、トリガーポイントに拘らず、いかに交感神経の過緊張を取ることが出来るかを優先しました。治療後は、痛みのため数日食事が出来なかったものが、身体がポカポカして食が進んだそうです。私の治療が、どこまで役に立ったかわかりませんが、もう一生寝たきりかもしれないと思う程強烈な痛みから、元気な姿を見せていただけると、日々自分の力の無さを痛感している私にとって、大きな勇気と元気を患者さんからいただきました。
私は、医師ではありませんから、診断はできません。痛みを訴えて来られた患者さんに、除外診断が必要なのも充分理解できます。しかし、問診で事足りることも多いはずです。猛烈な痛みを発する解離性動脈瘤 心筋梗塞 尿管結石 胆石発作 etc などの内臓由来とも言える痛みなら、痛み以外にも、他覚所見がある場合もあるでしょう。それこそTPB注射などは効果ないでしょうから、TPB注射をすることで同時に診断も行えそうなものですが、いつまで経っても進歩がないですね。原因を探るのは後にしてでも、まずは痛みを全人的に捉え、優先的に除痛をしてから、除外診断を進めればよいように思うのですが。。。。
50歳代の男性の患者さんが、首から左肩~上肢にかけての痛みと痺れを訴えて来院されたのが、今月初めの事でした。
首を後屈すると、首から上肢にかけて強烈な痛みが起こる。安静にしていれば、痺れが気になって仕方がない。神経学的検査という位置付け? の、ジャクソン、スパーリング検査では陽性になります。肩のほうは、動かしても、特に痛みが誘発される事もなく、可動域の制限もありません。
深部反射 筋力検査 触圧覚 筋の萎縮 etc ひと通り診ましたが、除外しなければいけないような疾患はありません。この患者さんを紹介してくださったのは、数年に一回腰が痛くなれば来院される患者さんで、その患者さんの身近な身内には、名の通った整形外科の開業医がおられます。その方も、すべり症による座骨神経痛で、手術が必要と身内の病院で診断されて、私の院に来られた記憶があるので、鮮明に思い出す事が出来ました。
痛みを長く放置していたそうで、最長筋、肩甲挙筋 後斜角筋 僧帽筋の上部 小胸筋が悪くなっていました。現時点で、首を動かす事は問題なく出来るように回復しました。若干、腕の痺れが残っている状態ですが、この患者さんが訴える症状は、MPSと言う病態で間違いなさそうです。(あくまで、診断ではなく判断です。)
いずれにしても、痛みを放置しないことが重要です。
いつも、右脚の腰下肢痛で、年1~2回来院される60歳代の男性の患者さん。今回は、左肩の痛みで来院されました。
二週間くらい前から、何をしたと言う訳でもなく痛みだし、外転時痛が激しくなり、夜間痛みで起きる。首まで回らなくなったと言う事でした。いたるところに感作部位がありますから、広めにカバーしておきます。それだけで、取れてしまう場合も多いものです。
腰下肢痛は、医師には骨の棘が神経に触れているから、すっきりさすには手術しかないと言われておられていましたが、最近は調子も良く、ハードに作業をこなしても痛まなくなったそうです。結局、MPSと考え治療したほうがよいケースですね。ただし、患者さんの頭の中には、MPSと言う概念は全くありません。
この患者さんが訴えられていた、腰下肢痛が、鍼治療で良くなったのか?ほったらかしでも良くなったのか?それは、私にもわかりませんが、女性が行うお顔のピ-リングは、一旦組織を破壊して、あらたな組織に置き換えてあげるようです。
私が行う鍼治療も、悪い部分を破壊して感作構造を潰し、新たな組織に置き換えてあげようと言う考えも取り入れていますから、やみくもに鍼をするのではなく、治療する筋肉をしっかり厳選して行います。巷では、トリガーポイント鍼は痛いとも耳にしますが、私は、鍼の痛みを我慢させてまで行うような、乱暴なやり方はいたしません。